弊社が3S活動に取り組むきっかけから、毎月500人の工場見学者が訪れるようになった現在に至るまでの、枚岡合金工具の経営革新のあゆみをご紹介いたします。

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平成11年(1999年)、現社長・古芝保治が、勉強会仲間と共に京都のある製造業の工場見学に訪れた際、整理整頓された工場現場の美しさに心を打たれる。 快適な職場づくりが、工場従業員の意識改革に繋がると確信した保治は、早速、自社の活動に取り入れるために動きはじめる。
現場を安全・快適・効率的にするための最初の一歩は、不用品の処分。
今こそ「捨てる勇気」が必要であると信じ、 「会社の利益に関与していないもの」 「6ヶ月間使用していないもの」 という2つの廃棄基準を設けて、一挙に社内の不要品の廃棄を開始した。
その中には、購入当時1,200万円を掛けて導入したコンピューターや、先代の時代から使っていた古い機器類も多く含まれていた。
最初に実施したのは、現場の工具棚。1日一人が30分ドリルやバイト探しに費やしていたのが、 コンビニ棚で定位置、定量、定方向、表示、標識することで、すぐに取り出し5秒を達成。
工具棚一つで年間60万の時間コスト削減となった。 また、不要な購買を減らすために、工具からオフィス用品に至るまで、備品の共有化を図った。 現場で使う工具、ハサミやボールペンなど、一人ひとりが所有するのではなく、各部署にラックを作って社員全員でそれを共有化することにより、余分なものを減らすことに成功。 これが整理整頓の基礎となる。
椅子に座って働くという概念も、実は仕事の効率化という面では非常に余計なものであることに着目した。
事務仕事や設計は別にして、立って仕事の出来る範囲に椅子は要らない。 椅子を極力撤廃することで、作業の効率化と作業スペースの確保に成功した。 また、机にもキャスターをつけて小回りの利くように工夫を施した。 中小企業の最大の利点は、大企業に比べて小回りの利くところである。 それを現場から実践したのだ。
この椅子と机の改革により、作業能率は格段に向上し、現在の「やるべきことをすぐに実行に移す」枚岡合金工具の作業スタイルの基礎となっている。
工場を「床面に天井が映るくらいに」美しくする。
その為に、経営陣自らがトンカチとペンキの刷毛を握り、工場の大改造にのりだした。 改装工事など業者に任せればいいという声や、工事費をケチっているという嘲笑もあった。
しかし、保治社長と義己副社長の考えは違う。 自分で手間ひまをかけて創造したものは大事に扱う。 誰かに与えられたものではなく、自分たちで苦労して作ったものは、いつまでもきれいに使う。 自分が一生涯働く工場だからこそ、自分たちで作って大事にする。 その考えに賛同して、社員たちが一人、また一人と協力し、最後は全社員参加の元で現在の工場が完成した。
今や枚岡合金工具株式会社の代名詞でもある「3S活動」。
徹底した整理整頓清掃はもちろんのこと、場所の3Sから始まった活動はやがて、物の3S、情報の3S、心の3Sへと進化を遂げていく。
3S活動を取り入れた当初は、現場のベテラン従業員たちから「掃除をするヒマがあったら、一つでも多くの製品を作った方がいい」と反発の声もあったが、経営者自らが先頭に立って取り組むことで、今では全社員が3S活動の意義について深い理解と賛同を示している。
経営革新の波は、自社だけにとどめておくものではない。
異業種交流の場を増やし、地域中小企業の経営革新モデルのパイオニアとしての活動も開始する。 町工場ながらISO9001を取得し、「経営革新支援法の認定」を受けた。 そして、異業種交流の仲間と共に画期的なファイリングソフト「デジタルドルフィンズ」の開発にも取り組み、これを成功させ、一事業部門として充分に採算の取れる状態にまでした。 これこそが、物の3Sから、情報の3Sへと経営革新の進化形態である。
また、松下電器からの工場見学を受け入れたのを皮切りに、「美しい工場」の工場見学を開始。 枚岡合金工具の3S活動や経営革新への徹底した取り組みについて、外部へも発信し始める。 その後は見学者が途切れることなく訪れるようになり、今では月二回の水曜日が「工場見学の日」になって恒例化している。 近畿圏だけでなく、噂を聞きつけた遠方から来訪してくる経営者たちも多い。











